平安時代から連綿と受け継がれる伝統と格式を誇るおまつりです。一之宮・寒川神社、二之宮・川勾(かわわ)神社、三之宮・比々多神社、四之宮・前鳥(さきとり)神社、一国一社・平塚八幡宮、総社・六所神社が大磯の斎場に集まり、相模国の成立と国司による班幣(はんべい)行事を今に伝える神事が粛々と行われます。
律令制度の確立とともに、地方の国々には国司(こくし=国の長官、今の知事に相当)がおかれました。国司はその国の大社を参拝する制度がありましたが、巡拝には多くの人手や費用、日数がかかることなどから、やがて国府近くの神社に各社の御分霊(ごぶんれい)をおまつりするようになりました(総社のおこり)。例年5月5日、各社の神さまは、お神輿で大磯の斎場に集まり、御分霊である「守公神」(しゅこうしん)が総社に納められます。また、国司による奉(ほうべい=神さまにお供えものをたてまつる)が行われ、国家安泰、五穀豊穣が祈念されます。
古式座問答
その昔、相模国は相武(さがむ)と磯長(しなが)に分かれていました。両国の合併により、寒川神社と川勾神社のどちらが一之宮になるかを決せざるを得ませんでした。これを神事化したのが「座問答」(ざもんどう)です。
両社は神さまの座を交互に上位に進めること3度(神さまの座には虎の皮を用います)、残り3社(比々多神社・前鳥神社・平塚八幡宮)が案ずるに、当社宮司が仲裁役として「いずれ明(みょうねん)まで」と声を発し円満解決するものです。
粽行事
三之宮の粽(ちまき)行事は、白鳳(はくほう)時代以来、1,300年以上の伝統を保持する「神霊(たま)の鎮座(ちんざ)を祝う」神事です。粳(うるち)の粉を蒸かしてつき、指先でちぎり片で握って作ったもので、柏餅の形はこれから出ています。これを『卯(う)の花』『しとき』称します。俵の中に杉の小枝を入れ、その中にしときを入れて奉製し、神さまにお供えします。
国府祭では、一之宮から八幡宮までの5社が、順番通りに神揃山にお着きになり、着御祭(ゃくぎょさい)が執り行われます。八幡宮の式が終わるとともに、神さまの無事到着を祝い社青年による粽行事が行われます。
祭場には、力石といわれる石があり、その上に落ち着かた粽俵を「ヨイショゥ」の掛け声諸共に、青年たちが3・4メートル放り上げ、数回で俵が壊かかると一斉に群がり、中の餅を奪い合いながらも、所かまわず四方八方へ撒き散らしますちまきとは、この動態から起こった呼び名といわれています。
この御神霊(みたま)授かり、福分けの餅を拾って御供(ごっく)とし、家族で頂き、無病息災家内安全がもたらされるのです。
当社時間表(予定)
06:00 | 神社集合(総代) 榊会は7:00集合 トラック荷物積み |
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07:40 | 一般集合・修祓・玉串拝礼・立ち御神酒(おみき) |
07:50 | 行列御立ち |
08:20 | 比々多農協・バス乗車 |
08:40 | 金目着・平塚・秦野県道前下車 着御祭(ちゃくぎょさい) |
09:40 | 金目立ち |
09:50 | 金目出・平塚・秦野県道前乗車 |
10:20 | 大磯学園前バス下車 |
10:35 | 化粧塚(けしょうづか)着 |
10:50 | 神揃山(神集山)着・御着きの式(着御祭) 平塚八幡宮着御祭後、ちまき行事 |
11:45 | 五社列拝(ごしゃれっぱい) |
12:00 | 座問答(ざもんどう) |
12:20 | 奉迎使集合・出発 |
13:50 | 当社御立ちの式(発輿祭) |
14:00 | 一之宮より御立ち |
14:15 | 三之宮御立ち |
14:50 | 大矢場(おおやば・逢親場)着 |
15:30 | 五社献饌(ごしゃけんせん) |
15:40 | 守公神・神納対面(しゅこうしん・しんのうたいめん) 奉迎使参列(ほうげいしさんれつ) |
15:50 | 国司代奉幣(こくしだいほうべい) |
15:55 | 許の儀(しんさいきょのぎ) 撤饌(てっせん) |
16:00 | 平塚八幡宮より御立ち |
16:30 | 大磯農協・バス乗車 |
17:00 | 伊勢原(渋谷GS先)バス下車 |
17:30 | 料亭こみや着・着御祭 |
18:20 | 片町(大神宮前)バス乗車 |
18:30 | 比々多農協・バス下車 |
19:00 | 鎮座祭(ちんざさい) |
国府祭六社
総 社 六所神社(ろくしょじんじゃ)
中郡大磯町国府本郷935
電話0463-71-3737
→総社 六所神社 WEBサイト
一之宮 寒川神社(さむかわじんじゃ)
高座郡寒川町宮山3916 電話0467-75-0004
→一之宮 寒川神社 WEBサイト
二之宮 川勾神社(かわわじんじゃ)
中郡二宮町山西2122 電話0463-72-1211
→二之宮 川匂神社ブログ
三之宮 比々多神社(ひびたじんじゃ)
伊勢原市三ノ宮1472 電話0463-95-3237
→三之宮 比々多神社 WEBサイト
四之宮 前鳥神社(さきとりじんじゃ)
平塚市四之宮4-14-26 電話0463-55-1195
→四之宮 前鳥神社 WEBサイト
一国一社 平塚八幡宮(ひらつかはちまんぐう)
平塚市浅間町1-6 電話0463-23-3315
→一国一社 平塚八幡宮 WEBサイト
→相模国府祭六社めぐりパンフレット(表)を見る【PDF:224Kb】
→相模国府祭六社めぐりパンフレット(裏)を見る【PDF:304Kb】
開運守公神
「神対面の儀」(しんたいめんのぎ)は、一之宮から四之宮、そして八幡宮の御分霊(ごぶんれい)である「守公神」(しゅこうしん)を総社に納める神事です。この儀式は、国内を守る5社の神さまたちが親神さまに会うためのもの、ともいわれています。こうして相模国を守る神さまが一つになり天下泰平・五穀豊穣の願いがこめられます。
千年以上の歴史と格式を誇るお宮を、時の国司さながらに巡拝頂き、参拝記念となる「開運守公神」(各社色違いの御幣)を授かってみませんか。広大無窮なるご加護を賜り、ご家庭の平和と繁栄がもたらされますことを祈念いたします。